XPPenの液タブを調べていると、機種名の多さで手が止まります。Artist、Artist Pro、Artist Ultra という3つのラインがあり、そこに「セカンド」「3rd」「V2」「Gen 2」「Plus」といった世代や派生の表記が重なるためです。同じ16インチでも4つの選択肢が並びます。
この記事では、ラインの違いと世代表記の読み方を整理します。先にひとつ言っておくと、「Proと付いていれば上位」という単純な話ではありません。世代の更新時期がラインごとにずれているためで、ここが混乱しやすい部分だと思います。なお本文中の価格は記事公開時点の参考価格です。
3つのラインは何で分かれているか
大きな構造としては、画面の格で分かれています。
Artist(無印) はエントリーからミドルを担当するラインで、解像度はフルHDが中心です。価格は2万円台から6万円台まで。
Artist Pro は解像度と色域を引き上げたラインになります。2.5K(2560×1600)や4Kのモデルが並び、価格は5万円台から30万円近くまで幅があります。
Artist Ultra は2025年に加わった最上位ラインで、4KのOLEDパネルを採用しています。
筆圧については、現行の各ラインとも16,384段階で共通です。つまりペンの基本的な精度でラインが分かれているわけではなく、差は画面に寄っているという構造ですね。
16インチで並べてみる
言葉で説明するより、同じサイズ帯で並べたほうが分かりやすいと思います。15〜16インチクラスの4機種です。
| 機種 | 参考価格 | 画面 | 解像度 | 色域 | ペン | 発売 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Artist 16 セカンド | 44,980円 | 15.4型 | フルHD | sRGB 127%/AdobeRGB 94% | X3 Elite・8,192段階 | 2022年5月 |
| Artist 16 3rd | 49,980円 | 15.4型 | フルHD | sRGB 99%/AdobeRGB 98%/P3 97% | X4・16,384段階 | 2026年4月 |
| Artist Pro 16 (Gen 2) | 65,430円 | 16.0型 | 2560×1600 | sRGB 159% area | 16,384段階 | 2023年9月 |
| Artist Ultra 16 | 129,800円 | 15.6型 | 4K・OLED | DCI-P3 99% | 16,384段階 | 2025年9月 |
無印のフルHDから、Proの2.5K、Ultraの4K OLEDへと画面が上がっていく構図が見て取れます。価格もそれに沿って上がっていきますね。
世代表記の読み方に注意
ここが最初に書いた「Proなら常に上とは限らない」の中身です。
上の表で、Artist 16 3rd(2026年4月)のペンはX4スマートチップで、筆圧16,384段階・傾き検知60°・ON荷重2g・精度±0.2mmという仕様です[1][2]。一方、Artist Pro 16 (Gen 2) は2023年9月の発売で、ペンは前世代のX3 Proにあたります。
つまり無印の最新世代のほうが、上位ラインの旧い世代よりペンのチップが新しい、という逆転が起きています。画面の解像度で見ればPro 16 Gen 2が上ですが、ペンの世代だけを見ると無印の3rdが新しい。ラインの上下と発売年は別々に確認したほうがいいということですね。
同じことは無印の中でも起きていて、Artist 16 セカンド(2022年)は筆圧8,192段階のX3 Eliteです。3rdとは筆圧段階が倍違います。「セカンド」と「3rd」は単なる呼び方の違いではなく、ペンの世代がひとつ変わる差だと考えてください。
各ラインの主な機種
Artist(無印)
15.4型・フルHDの Artist 16 3rd(参考価格 49,980円)が現行の中心です。8つのショートカットキーと2つのダイヤル(X-Dial)を備え、AGナノエッチングガラスによる描き心地も評価されています。国内レビューでは「ちょうどいいサイズ感」「手頃な価格」が良い点として挙げられる一方、スタンドの角度が固定である点が不満として指摘されていました[1]。
大画面が必要なら Artist 22 セカンド(参考価格 53,820円)という選択肢もあります。21.5型でフルHD、5万円台という構成です。
Artist Pro
Artist Pro 16 (Gen 2)(参考価格 65,430円)は16.0型・2560×1600の16:10。無印より縦に広く、解像度も一段上がります。
大型では Artist Pro 27 (Gen 2)(参考価格 298,000円)が2026年3月に加わりました。26.9型の4Kで、Proラインの最大サイズになります。
Artist Ultra
Artist Ultra 16(参考価格 129,800円)は15.6型の4K OLEDでDCI-P3 99%。有機ELならではの黒の締まりと広色域を、16インチクラスで使いたい場合の選択肢です。
Magic シリーズは別の系統
もうひとつ、XPPenには Magic という名前のラインもあります。こちらは液タブではなく、PCなしで単体で動くAndroidタブレットです。
Magic Note Pad(参考価格 49,490円)はカラーLCDを使った独特のモデルで、Magic Drawing Pad(参考価格 79,900円)が上位にあたります。液タブを探していてこの名前に行き当たった場合は、そもそも種類が違うものだと考えてください。
選ぶときの順番
整理すると、こう考えるとよさそうです。
まず必要なサイズを決める。次にフルHDで足りるか、2.5K以上が要るかを判断する。ここで無印かProかがだいたい決まります。色にこだわる仕事で4K OLEDまで求めるならUltraが対象になりますね。
そのうえで、候補になった機種の発売年とペンのチップ世代を確認する。これが今回いちばん伝えたい部分です。ラインの名前だけで上下を判断すると、古い上位機を選んでしまうことがあります。
サイズや色域の考え方そのものから整理したい方は、液タブ選びで失敗しないための6つのポイントもあわせてどうぞ。ポイント3でサイズ、ポイント5で色域を扱っています。
出典一覧
- オレフォルダ「XPPen Artist 16 3rd レビュー:2つのダイアルショートカットが使いやすい15.4インチ5万円を切るエントリー向け液タブ」https://orefolder.jp/2026/05/xppen-artist-16-3rd/ (取得日:2026-07-27)
- XPPen JAPAN公式「Artist 16 3rd」https://www.xp-pen.jp/product/artist-16-3rd.html (取得日:2026-07-27)
- 声オタおにじくんの声学審問H!「XPPen『Artist 16 3rd』レビュー」https://oniji.hatenablog.com/entry/2026/05/14/180000 (取得日:2026-07-27)






