Wacomの液タブには「Cintiq」と「Cintiq Pro」の2つのラインがあります。名前が似ていて価格は倍以上違うため、どこで線を引けばいいのか分かりにくいシリーズです。
この関係、2025年6月の無印Cintiq刷新でかなり変わりました。新しいCintiq 16/24が、Cintiq Proと同じ Wacom Pro Pen 3 に対応したためです[1][2]。これまで「ペンの質が違う」という分かりやすい線引きがあったのですが、そこが消えました。
では今の差はどこにあるのか。整理していきます。なお本文中の価格は記事公開時点の参考価格です。
ペンは同じものが使えるようになった
まず押さえておきたいのが、この変更です。2025年6月発売のCintiq 16/24/24 touchは、Cintiq Proシリーズと同じPro Pen 3に対応しました[1]。筆圧検知や傾き検知の精度に加えて、サンプリングレートの向上による線の追従性も共通です。
筆圧段階も、無印・Proともに8,192段階で変わりません。つまり描くという行為そのものの質は、両ラインでほぼ横並びになったわけですね。ITmediaのレビューでも、新型Cintiqは「Cintiq Proより安く、高性能なペンに必要な機能を備えたモデル」として評価されています[2]。
残っている違いは画面まわり
では何が違うのか。現行世代で比べると、差は画面の仕様に集中しています。
| Cintiq(無印・2025年) | Cintiq Pro(現行世代) | |
|---|---|---|
| 解像度 | 2.5Kクラス(2560×1600/2560×1440) | 4K UHD(3840×2160) |
| リフレッシュレート | 標準 | 120Hz駆動 |
| 色域 | sRGB 100%/DCI-P3 99% | DCI-P3 99%/AdobeRGB 95〜99%/Rec.709 100% |
| 色管理 | — | Pantone認証パネル |
| 筆圧 | 8,192段階 | 8,192段階 |
| 対応ペン | Pro Pen 3 | Pro Pen 3 |
| 価格帯 | 11.8万〜25万円 | 21.7万〜52.5万円 |
ポイントは3つあります。解像度が2.5Kか4Kか、120Hz駆動があるかどうか、そしてAdobeRGBとPantone認証まで押さえているかどうかです。
最後の色管理は、印刷物や映像の現場で効いてくる部分になります。無印のsRGB 100%/DCI-P3 99%でも一般的なカラーイラストには十分ですが、AdobeRGBを基準に色を合わせる案件や、Pantoneでの色指定が入る仕事では、Proの色域と認証が意味を持ってきます。
無印Cintiqの現行3モデル
2025年6月に発売された現行世代です。ペンがProと同等になったこともあり、価格に対する内容は充実しています。
Cintiq 16(参考価格 118,800円)は16.0型で2560×1600(16:10)。縦方向に広く、画面比率としてはCintiq Pro 17に近い設計です。
Cintiq 24(参考価格 206,800円)は23.8型・2560×1440の大画面モデル。据え置きで広く使いたい場合の標準になります。
Cintiq 24 touch(参考価格 250,800円)は、Cintiq 24にマルチタッチ操作を加えたモデルです。差額の4.4万円をタッチ操作に払うかどうか、という選択になりますね。
なお旧世代のCintiq 16(参考価格 99,880円・2019年)も併売されています。こちらはフルHD・sRGB 96%で、新世代とは解像度も色域も一段違います。価格差は約1.9万円ですので、モノクロ線画が中心で解像度にこだわらない場合を除けば、新世代を選んでおくのが素直だと思います。新旧の詳しい違いはWacom Cintiq 16 の新旧モデルはどう違うのかにまとめました。
Cintiq Proの現行3モデル
Cintiq Proの現行世代は17/22/27の3つです。この3機種はサイズ以外の仕様がほぼ共通で、いずれも4K・120Hz・Pantone認証パネルを積んでいます。
Cintiq Pro 17(参考価格 371,800円)が17.3型で最小。Cintiq Pro 22(参考価格 448,800円)が21.5型、Cintiq Pro 27(参考価格 525,800円)が26.9型と続きます。Pro 27だけAdobeRGBのカバー率が99%と一段高くなっています。
選び方としては、サイズと予算で決めてよいラインです。描画性能そのものは3機種で変わりません。
旧世代のCintiq Proが混ざっている点に注意
ここが混同しやすいところなのですが、Cintiq Proには2018〜2021年発売の旧世代モデルも併売されています。
Cintiq Pro 16(参考価格 217,800円・2021年)は15.6型・4K・AdobeRGB 98%でマルチタッチ対応。現行世代の17/22/27とは別系統で、120Hz駆動ではありません。
このほか、Cintiq Pro 13(2018年)、Cintiq Pro 24/24 Touch(2018年)、Cintiq Pro 32(2018年)も現行のラインアップに残っています。価格だけ見ると「Proなのに安い」ものがありますが、発売年が7〜8年前のモデルが含まれます。Cintiq Proという名前だけで選ばず、発売年と仕様を確認するのが安全だと思います。
どう選ぶか
整理すると、こうなります。
カラーイラストや同人・SNS向けの制作が中心なら、無印のCintiq 16/24で不足を感じる場面は少ないはずです。ペンはProと同じものが使えて、色域もsRGB 100%/DCI-P3 99%。11.8万円から入れる現行世代という点で、費用対効果はかなり良くなりました。
4Kの精細さや120Hzの追従性が要る、あるいはAdobeRGBやPantoneを基準に色を合わせる仕事をしているなら、Cintiq Proの現行世代(17/22/27)が対象になります。ここは価格差というより、仕事の要件で決まる部分ですね。
マルチタッチが欲しい場合は、無印ならCintiq 24 touch、Proなら現行世代が対応します。
サイズや設置スペースの考え方から整理したい方は、液タブ選びで失敗しないための6つのポイントもあわせてどうぞ。色域の考え方はポイント5にまとめてあります。
出典一覧
- 週刊アスキー「ワコムのペンタブ「Cintiq」に大進化の16型/24型新モデル Cintiq Pro用の高精度ペンに対応」https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/279/4279861/ (取得日:2026-07-27)
- ITmedia PC USER「ワコムの新型液タブ「Cintiq 16/24」が「Cintiq Pro」キラーな気がしてならない プロ絵師がつぶやいた理由」https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2506/26/news034.html (取得日:2026-07-27)
- ワコムストア「Wacom Cintiq Pro 液晶ペンタブレット」https://estore.wacom.jp/ja-JP/category/pen-displays/wacom-cintiq-pro.html (取得日:2026-07-27)







